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蒼きトゥアレグ -1- トゥンブクトゥにて 

「ラクダの手配ができたので、20分後にすぐ出発します。」

ガイドのソリが言った。

             

ニジェール河のフェリーでの一騒動を何とか乗り切った我々は、
その日の午後に、黄金伝説の地トゥンブクトゥに到着していた。

トゥンブクトゥ。

日本人の我々には聞きなれない名前ではあるが、
実は民話 「ブンブク茶釜」 のモデルになった地だといえば、
納得していただけるであろうか。
(しないほうがいい)

それはニジェール河の中流にあり、
その昔、北からは岩塩、南からは金がここに運び込まれ、
ニジェールの水運を使い物資を各地へ流通させたという、
西アフリカの一大交易都市だったのである。

更に14世紀には、
歴代のマリ国王が大量の金塊を携え、
大編隊を組んでメッカへの巡礼を果した事から、
ここトゥンブクトゥはマリ共和国とともに、
「黄金伝説の地」として記憶される事になった。

             

我々は、今では昔の面影はなく、心なしか閑散としている乾いた旧市街や、
土でできた独特の形をしたイスラムのモスクなどを訪問したのであるが、
本来の目的はこの街そのものではなかった。

ここはサハラ砂漠の南の境。
これ以上奥地に足を進めれば広大な砂の大陸である。

更にそこには、
砂漠の民 「トゥアレグ族(自分達では「タマシェク」と言う)」 が、
遠い昔からラクダを放牧しながら旅の生活を送っている。

そして我々の目的は、
そのトゥアレグ族とともにラクダでサハラ奥地に分け入り、
彼らのテントで数日を過ごす事であった。

             

何とロマンチックな・・・

私はこの旅に出る前から、この日を心待ちにしていた。

ただし直前まで実施できるかどうか定かではなかった。
何せ彼らは砂漠の民である。
携帯電話に連絡するわけにはいかない。

当初から 「うまく連絡が取れれば可能であろう」 という程度の確率であったのだが、
何とも幸運な事に直前に彼らと連絡がとれたらしい。

それも20分後に出発しなければ途中で日が暮れてしまい、
今日中にキャンプに辿り付けないと言うではないか。

我々一行は、
大慌てでバラシキの運転する例の 「前進あるのみのトヨタ」 から荷物を降ろし、
砂漠への旅の準備を始めた。

             

そしてそれは、
各自が何とか荷造りを終えた頃であった。

顔一面を覆った蒼い布の間から鋭い目をのぞかせた 「彼ら」 が、
数頭のラクダを引き連れて、
我々の前に姿を現したのである。

<つづく>
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蒼きトゥアレグ -2- サハラへ 

トゥアレグ(タマシェク)族。

ベルベル人系の遊牧民であり、
サハラ砂漠内陸部を主な活動の範囲としている。
中世にはサハラ交易を支えたが、
しばしば隊商を襲撃したことから好戦的民族として恐れられた。

現在では、主にナイジェリア、マリ共和国、ニジェールを中心に生活しており、
その数は数百万人といわれている。

青いターバンと民族衣装を着用することから「青衣の民」として知られ、
「風の谷のナウシカ」のイメージモデルにもなったそうである。

そしてそこに現れたのは、
紛れもなく青い民族を全身にまとった、3人のトゥアレグであった。

更に、見たこともない容姿もあいまってか、
何か全身から威厳のようなものを発している。

             

我々は挨拶もそこそこに、
早速、それぞれに用意されたラクダに乗り込むことにした。

日が暮れるまでに今日のキャンプに到着する必要がある。

ラクダは近くで見ると思いのほか大きな動物であるが、
彼らがちょっと前足を棒でつついただけで、
いともたやすく我々の前に前足を折り曲げて跪く。

ラクダは彼らにとって、
唯一の交通手段であり資産でもあるのだ。

コブの前方には、簡単な作りの木製の鞍が乗せてある。
何とかそれに跨ったと思いきや、
突然の大きな振幅とともにラクダが立ち上がる。

そしてそこには、
予想外の高い視線からの風景が展開されているのである。

             

どうやら、皆ラクダに乗る事はできたようだ。

我々は二列の編隊を組み、
サハラの奥へと砂の大地を静かに進み始めた。

ふと見れば、
トヨタに積み残した我々の荷物と共に、ここに数日留まるバラシキが、
遠くからこちらを見つめていた。

<つづく>
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蒼きトゥアレグ -3- 夕暮れ 

青い衣装を見にまとったトゥアレグに先導され、
白い砂漠を二列のラクダの編隊は進んでいく。

しかし、どうも乗っている人達はぎこちない。

             

ラクダに乗せられた木製の鞍は非常に簡便なもので、
前方にそそり出した手すりのような物を両足で挟むように乗り、
その上でラクダの首のあたりに足を固定する必要がある。

たぶん乗馬でも同じと思うが、
動きにあわせてリズムを取るのが大切なのである。
そのリズムが乱れてしまうと、
ラクダと人の動きがちぐはくになり、
一人でコブの上を跳ね回ることになる。

これでは硬い鞍の上で数時間は到底持ちこたえられない。

             

前方を見ると、ガイドのソリがにやにやしながら、
我々の悪戦苦闘振りを眺めている。

どうやら彼はラクダには乗り慣れていると見えて、
器用に自分で手綱を操っている。
ではとても様になっていたかというと、さにあらず。

ドゴン出身の彼はとても背が高く、たぶん190cm以上はありそうだ。
更に彼の長い首の上には、
身長に不釣合いなくらいに小さな頭がちょこんと乗っている。

そんな彼がラクダに跨っている姿は、
とうてい「砂漠の民」という風情ではない。
うまくは言い表せないが、

「ダチョウがラクダに乗っているよう」

といえばお分かりいただけるであろうか。
(無理であろう)

我々のラクダは縦に数頭つながれて、
先を行くトゥアレグに砂漠を誘導されていく。

みな必死の形相でバランスを取り臀部の痛みをこらえているのであるが、
時折ラクダは勝手に自分達の食べ物であろう植物の茂みに突っ込んでいく。
そしてそれには硬いトゲが沢山あって、もう大変なのである。

             

数時間が経過した。

我々は尾骶骨を軋ませ、トゲを振り払い、
何とかラクダにしがみつきながらも、
サハラを奥へ奥へと進んでいた。

その頃には、景色を眺める余裕も若干出てきていた。

果てしなく続く砂の大地、
遥か遠くから伝わって来る乾いた空気の匂い、
そしてラクダが砂を蹴る静かな音。

ああ、私は今サハラを行っているのだ・・・

ふと振り返れば、
そこには母なる大地へ沈みゆく真っ赤な夕日が、
静かに微笑んでいた。

<つづく>
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蒼きトゥアレグ -4- 新たな夜明け 

夜。

我々はトゥアレグのキャンプで焚き火を囲んでいた。

そして、炎を見つめながら彼らは静かに語り始めた。

祖先は遠くイスラエルのあたりから旅してきたこと。
今でもラクダと共に生きていること。
最近では砂漠化が進んできて、
ラクダの餌になる草が生える地域が明らかに減ってきていること・・・

あたりは暗闇と静寂が支配していた。

             

風と砂を除けるための簡素なシートに囲われたスペースが、
我々に与えられた寝床であった。

私は寝袋にくるまり仰向けになった。

澄み切った空気の先にきらめく満天の星、
乾いた風の匂い、
大地から感じられるほのかな暖かさ、
焚き火の燃えるかすかな音・・・

私はここに至るまでの遠い道のりを思いながら、
身体中に行き渡るまで、大きくアフリカの空気を吸い込んだ。

             

翌朝。

きのうラクダの向こう側に沈んでいった太陽は、
新たな顔をして地平線からその姿を現し始めていた。

足元を見ると、
昨晩の我々の食べ残しを、
せっせと運んでいくフンコロガシの姿があった。

私は、ここサハラの奥地トゥアレグのキャンプにおいて、
新たな生命の始まりのようなものを、
心のどこかで確かに感じていた。

<蒼きトゥアレグ・完>
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蒼きトゥアレグ 番外編 -1- 

話の合間なので、ちょっと写真でも。

DSCF0104.jpg
  トゥアレグ(ターバンは外してます)のテントと我々の寝床スペース(手前)


DSCF0107.jpg
  ラクダの準備をお手伝いするトゥアレグのよいこ達 (と、結構硬い木の鞍)


DSCF0105.jpg
    朝から食べ残しをせっせと運ぶ、ファーブルのフンコロガシ

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蒼きトゥアレグ 番外編 -2- 

ついでにもう少し。
写真に撮られるのを嫌がる人も多いので、結構気を遣います。

DSCF0030.jpg
   アフリカのマーケット。とにかくカラフル。

DSCF0031.jpg
   土と木でできたユニークな建築のイスラム寺院。

DSCF0032.jpg
   ニジェールの水運はこんな感じ。混沌としてます。

<次は懐かしのバマコに戻ります。「マリの涙」へ つづく>

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